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日本経済新聞 2009年9月28日 春秋

 「あの人は官僚だな」と言えば一般には悪口である。規則を盾に融通がきかない。事なかれ主義で前例踏襲をむねとする。上の意向を絶えずうかがい、下に対して冷淡。こんなタイプの人のことだ。組織あるところどこの世界にもいる。
▼企業にも多い。いま問題の日本航空を御巣鷹山事故の後に取材した時。客室乗務員のエプロンを機内販売しようとしたら規則がどうのこうのと横やりが入り、最後に「社長の許可」を取れと言われたという話を聞いた。たかがエプロンで社長におうかがいだ。この手の話を笑えない会社も少なくないのではないか。
▼最近はコンプライアンス(法令順守)対策などで社内規則などが増える一方だ。官僚主義がはびこる恐れがある。下手をすると「守られない規則を山と作る結果になります」とパナソニックの法務担当の鹿島幾三郎常務は言う。「現場の声を聞き、実効が上がるように改めなくては駄目です」と形式主義を戒める。
▼富士通のコンピューター事業を育てた小林大祐さんが会長時代にこう言っていた。「規則をたくさん作って楽ができるのは上の者です。規則通りやれと言っていれば、考えずに済みますから」。うっかりすると、上から目線の社内官僚がのさばる。お役所的な会社にしないように経営者はぼんやりしていられない。

日本経済新聞 2009年9月28日 春秋
  1. 2009/09/28() 16:51:54|
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